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Wirf die Luft(ヴィルフ・ディー・ルフト)はドイツ語であり意味は「空気をなげろ」。鬱屈した想いや何か不自由でままならなくて、どうにもならない憤り、ストレス、苦痛など、そういった目に見えないものは、いつの間にかこの身にまとわりついてくるものだ。そんなものたちは、空気と一緒に投げてしまえ!自分は自分だ。空気を読みすぎることからも解放されよ。自分が自分でなくなるようなことを回避せよ。
撮影を開始した2019年は、世界は通常の日常だった。東京からベルリンへ越してきたばかりの大橋武司は、生活していた東京をまといながら、ベルリンの壁の前、路上で、空気をまとって駆け抜け、踊るコンテンポラリーダンサー大橋武司の姿をみて、何かそういう体にまとわりついてくるものをぶっ飛ばして、投げ捨てて、それでも「自分は自分だ」と表現してくるようなスカッとした姿に写真家のタイナカジュンペイは魅了された。これはきっとどんな場所で撮っても、まとわりついてくる色々が、空気と一緒になげられ、自分は自分でいられる姿を見ることができると確信したそうだ。
撮影は、順にベルリンと東京。東京は大橋武司がベルリンでの半年ほどの生活から本帰国したばかりの時期で、ベルリンをまとったようなタイミングで撮影に挑めた。この二つの都市の撮影を経て作品として成立すると制作を始めていた2020年の折に、コロナが世界を震撼させて、今までの日常を様変わりさせてしまった。コロナ災禍は、思うようにいかないことを、特定の誰かというわけではなくほとんどの人が、唐突的に抱えるようになった気がする。抱えるということは、心に大きく変化が起こるということ。ベルリンと東京での写真だけでは、世界が変わってしまったこともあり、そんな心の変遷を表現しきれておらず、新たな撮影の必要性が生まれた。
そこで、もう一つ、どこでもないながらどこでもなりうる場所、または心象の世界がイメージできる、くらやみの劇場を舞台にして、新たに撮影に挑んだ。劇場での撮影は、これまでの都市の世界とは違うこともあり、踊りも写真も表現を変える算段だったので、あえて時間に制限をかけ30分ほどのセッションにした。そしてさらに撮影のその間は水野匠による音楽を、しかもライブで演奏してもらいながら、音楽が作り出す世界を、劇場にまとわせ、ダンサーと写真家へインスピレーションが引き起こるように、執り行った。
さぁ、色々自分にまとわりついてくる嫌なことを、今作「Wirf die Luft(空気をなげろ)」を目の当たりにして、空気と共に投げてしまえ!
Photograph & Edit : J U M P E I T A I N A K A
Dance : TAKESHI OHASHI/Taisotechnique
Music : TAKUMI MIZUNO
本写真集は、4冊 / 4曲から構成されている。
音楽については、
小冊子に記載のQRコードから読込・ダウンロード可能。
音楽を聴きながら写真集をお楽しみください。
内容(Photobook & Music)
写真集外箱(外寸 307mm x 220mm x 深さ17mm)
QRコード記載冊子(A5 縦 210mm x 148mm 4頁)
I (A4 縦 297mm x 210mm 24頁 3:58)
II (A5 横 148mm x 210mm 24頁 5:58)
III (A5 縦 210mm x 148mm 24頁 5:10)
IV (A4 横 210mm x 297mm 24頁 4:25)
合計100頁
限定500部
2021年5月発売
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